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■    「物流不動産流通ビジネス新展開」
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「物流不動産流通ビジネス新展開」

●外資は計算づくで、われ等を出し抜いた

下期からのプロロジスが活発に動いている。6月には180億円で
大阪南港にパーク大阪を取得。7月は大田区東海でヤマトロジステ
ィクスに7000坪弱のセンターを長期リース契約。8月は江東区
新砂の日通中央センター13400坪を大家に代わって代理取得と
運営を開始する。

物流施設専門の不動産開発会社というのが、良く分からない存在だ
ったが、200億円、7000坪、所有者から譲り受けて同条件で
賃貸するなど、その手法は魔法のようである。

大阪南港の新規開発は、来年10月完成であるがその規模は巨大で
あるとも建築コストは坪当たり40万円。賃料相場から見ても原価
は2000円を下回る。

日通センターも所有者のオフバランス経営(資産の圧縮、削減)ニ
ーズにも叶い、賃貸する日通にもデメリットは何もない。

こんなことが実現できる背景に、物流不動産流通ビジネスの新しい
応用技が見て取れる。

●倉庫は有望なキャッシュマシーン?

低金利時代が長く続きながら、古来の資産家は財務の削減、資産の
圧縮を進めてきている。デフレの原因が過剰設備、過剰資産、過剰
有利子負債の圧縮とされてきたからだ。

メーカーの在庫削減と共に、物流企業では「過剰」とみなされた物
流資産の売却、圧縮に苦労している。

仮に10億円の物流倉庫があったとしよう。長期負債が8億円ある
としても、金利負担は2%をくだらないはずだ。適正な賃料収入が
年間6%あると仮定すれば、10億の資産は4%の収益を生み出す。

これだけでは物足りないが、総資本収益率という尺度で見れば、自
己資本2億円が4000万円の収益を生み出すので、20%の収益
力を持っていることになるのだ。

既存事業を累々と重ねてきても数%の営業利益に苦労していること
から見れば、驚きの収益力である。

プロロジスなどの不動産開発会社は、この低金利時代と安定賃料収
入の格差に、新規融資の道付けと物件の再評価を組み合わせた新し
いビジネスモデルを示している。

まさに、老朽化した魅力の乏しい倉庫であっても、再開発によって
キャッシュマシーンに生まれ変われることが陽の目を見ている。

●物流不動産流通ビジネスの限界と創造

貸し倉庫、借り倉庫ニーズマッチングをインターネットで公開する
ことによって、爆発的な需要開発に成功したイー倉庫ドットコムで
あるが、その原因にあった「情報の共有化」「スピードある営業」
に新しい可能性がさらに加わることになる。

従来のマッチングビジネスでは、如何に登録物件情報と需要者情報
を厚く、多く集めるかに関わっていた。しかも成約にいたるには、
結局速く見込みの1:1の商談を進めるしか道はなかったが、空き
倉庫そのものを、再取得化、収益再計算評価、設備投資資金創造、
多様なリース契約の種類を揃えることで、1:Nの状態で多くの見
込み客を揃えることが可能になる。

貸主、借主共により多くの物件と、さらに物件のリビルドモデル
(リフォーム、設備追加等)の多様化によって、成約率がいっそう
向上することが見込める。

倉庫の所有者にとっても、保有か売却かという他に選択肢が広がる
ことになる。もちろん、ニーズがあれば従来通りの営業倉庫として
の道も残されている。

●倉庫業の事業形態が変わりつつある

厳しい賃料の原因は供給過剰が実態で、しかもニーズに合わせた改
造、設備投資、拡張が難しいという物件の制約にすべてが集約され
ている。

隣接地と併せることにより接道が広がり、容積率が変わる。物件の
価値が生まれ変わる。売却も不動産の証券化という技術を利用する
ことで、投資家に分散させることで圧縮と同時に収益源に生まれ変
わる。
営業倉庫の大型化の要請から再建築のプランも現実的な資金計画に
なるのである。

物流不動産の新しい評価技術(デューデリジェンス)、マーケティ
ング開発活動(需要家情報)、再設計(設備投資、改造)などの技
術があれば、古びた使い勝手や立地の悪い倉庫も生まれ変わる。

●イー倉庫プロネット プロジェクトがスタートした

上記の新しいビジネスモデルを実現するために、アバンセロジステ
ィック、幸洋コーポレーション、協同組合情報ネットイーが戦略的
事業提携の調印を行った。

狙いは日本版プロロジスである。より小規模でニッチマーケットを
埋め尽くすのが目的である。

産業再生が必要な物流業界において、新しい風と希望が見えてきて
いる。